男尊女卑の起源 男性のためのフェミニズム入門① Progressive! Channel 中野晃一

Progressive! Channel
13 Jan 202308:40

Summary

TLDRこのビデオスクリプトでは、フェミニズムと家父長制の基礎について男性向けに解説しています。西洋思想史における心身二元論が女性差別のルーツにつながり、理性を重んじる社会で身体的な欲求にとらわれている人々は政治に参加する資格がないとされてきた。有産階級の男性だけが市民としてカウントされ、女性や有色人種はpropertyとして扱われ、差別されました。第1波フェミニストのハリエット・テイラーは、男性による女性差別の根拠は身体的力にすぎず、その時代は終わりつつあると主張しています。

Takeaways

  • 📚 このシリーズは男性向けにフェミニズムの基礎を学ぶことを目的としている。
  • 🤔 男性がフェミニズムを語ることは正当で、まずは女性フェミニストの声に耳を傾けることが重要だと述べている。
  • 🧐 古代ギリシャからの心身二元論が政治や法制度における女性差別のルーツであることが示されている。
  • 🧠 精神界と物理界の区別に基づいて、理性と身体的な欲求の間の階層が設けられ、理性を重視した。
  • 👑 プラトンの哲人王による支配の考えは、理性的な哲学者が政治に参加するべきだと主張している。
  • 🚫 生産活動や再生産活動に費やされた人々は、知性を発達させる機会がなく、政治に参加する資格がないとされていた。
  • 👨‍👩‍👧‍👦 家父長制下では、男性が家族を統率し、妻や娘は家父長のpropertyとして扱われた。
  • 👚 再生産活動は、生殖活動や家事を含む広義の概念であり、女性がそのほとんどを担っていた。
  • 🏛️ 有産階級の白人男性のみが市民としてカウントされ、参政権を持つことができた。
  • 🌐 英国のハリエット・テイラーは、男性による女性差別の根拠は身体的な力にすぎず、その時代は終わりつつあると主張した。
  • 🔄 心身二元論が女性を下位に置く構造を作り出し、それが長い歴史の中で女性差別を正当化してきた。

Q & A

  • このシリーズの目的は何ですか?

    -このシリーズの目的は、家父長制を変えたいと思っている男性向けにフェミニズムの基礎を学び、ジェンダー、性差別、家父長制について話し合い、考えるよう促すことです。

  • なぜ男性はフェミニズムについて語ることが重要なのですか?

    -男性は社会の半分を占めており、性差別や家父長制の改善には彼らの理解と協力が必要です。また、男性自身もこの問題に関与することで、自己の意識を変え、社会全体の向上に貢献できます。

  • 心身二元論とは何を意味していますか?

    -心身二元論とは、精神や理性と身体という2つの異なる要素があると見る考え方を指します。この考え方は、精神や理性を身体より上位に位置付けることで、身体的な欲求や生理的な側面を下位と見なします。

  • 古代ギリシャの思想における女性に対する見方はどうでしたか?

    -古代ギリシャでは、心身二元論に基づき、身体的な欲求に服する人々は理性を高める行為に貢献できないと考えられており、その中には女性も含まれていました。そのため、女性は政治的な参画を制限された立場にありました。

  • なぜ女性は政治に参加する資格がないとされてきましたか?

    -心身二元論の影響を受け、女性は身体的な欲求や生理的な側面にとらわれているとされ、理性や知性を持つとはされず、政治に貢献する能力がないとされていました。

  • フェミニズムを学ぶことで男性は何を得ることができますか?

    -男性はフェミニズムを学ぶことで、ジェンダー平等の重要性や性差別の問題について深い理解を得られ、自己の行動や価値観を見直すきっかけになります。

  • 「プログレッシブチャンネル」はフェミニストの声にどのように向き合っていますか?

    -「プログレッシブチャンネル」は、フェミニストの声に耳を傾けることの重要性を認めながら、男性が積極的に学び、行動を起こすことを促しています。

  • 「フェミニストたちの書いたもの」とは何を指していますか?

    -「フェミニストたちの書いたもの」とは、フェミニズムの基礎を学ぶために、フェミニストの著書や文献を指しており、それらを読んで深い理解を深めることが推奨されています。

  • 「家父長制」とはどのような社会構造を指していますか?

    -「家父長制」とは、家族を統率する家長(特に年長の男性)を中心に、家族の他のメンバーがそれに従うという社会構造を指します。このシステムでは、妻や娘などが家長の所有物のように扱われることがあります。

  • 「第1波のフェミニスト」とはどのような運動を指していますか?

    -「第1波のフェミニスト」とは、主に19世紀末から20世紀初頭にかけて、女性参政権を求める運動を指しており、その中でもハリエット・テイラーがその一人として知られています。

  • 「プログレッシブチャンネル」はなぜ「男性が主体的に行動を起こすこと」を重要視していますか?

    -「プログレッシブチャンネル」は、男性が主体的に行動を起こすことが、フェミニズムの問題提起や告発を受け止めることに対する手段として重要だと考えています。男性自身が積極的に学び、行動することで、ジェンダー平等の実現に向けて貢献できます。

  • 「プログレッシブチャンネル」では、なぜ「心身二元論」が女性差別につながったと説明していますか?

    -「心身二元論」は、精神や理性を身体より上位に位置付ける考え方であり、この考え方に基づき、身体的な欲求や生理的な側面に服する人々は理性的な行動に貢献できないと考えられました。その結果、女性は理性的な政治参画を制限された立場にありました。

  • 「プログレッシブチャンネル」で述べられた「有産階級」と「無産階級」の違いは何ですか?

    -「有産階級」とは、資産を持ち、理性的な活動に専念できる人々を指し、「無産階級」は、資産を持たず、身体的な労働に身を捧ける人々を指します。この違いは、政治参画や社会的地位においても顕在であり、有産階級のみが市民としてカウントされ、参政権を持つことができたとされています。

  • 「プログレッシブチャンネル」で触れられた「property franchise」とは何を意味していますか?

    -「property franchise」とは、選挙権を有するために必要な資産の有無に基づく制限選挙のことを指しており、このシステムでは、資産を持たない「無産階級」や女性、黒人や有色人種の奴隷などが選挙権を有しませんでした。

  • 「プログレッシブチャンネル」で述べられた「reproduction」とは何を指していますか?

    -「reproduction」とは、英語でリプロダクションと訳され、生殖活動や子育て、家事などの無償の家事全般を指します。この活動は、再生産活動と呼ばれ、社会においては重要ですが、長らくは評価されてこなかったとされています。

  • 「プログレッシブチャンネル」で触れた「ヒステリック」という言葉の語源とは何ですか?

    -「ヒステリック」という言葉の語源はギリシャ語の「子宮」であり、女性を産む性としてその身体性を一方的に閉じ込めて規定し、断罪するミソジニーの長い伝統を表しています。

  • 「プログレッシブチャンネル」で述べられた「家父長」と「家父長制」の違いは何ですか?

    -「家父長」とは、家族を統率する年長の男性を指し、「家父長制」は、その家父長が家族を指揮し、妻や未婚の娘が家父長の所有物のように扱われるという社会構造を指します。

Outlines

00:00

😐 家父長制とフェミニズムの基礎

この段落では、プログレッシブチャンネルがフェミニズム、特に家父長制の問題について男性向けに解説することを紹介しています。男性がフェミニストの声に耳を傾けるべきであるという批判に同意しながらも、男性が沈黙するべきではないという立場を示しています。シリーズの趣旨は、男性がフェミニズムの基礎を学び、ジェンダー、性差別、家父長制について話し合い、考えるよう促すことです。また、西洋思想史をたどり、女性差別のルーツが古代ギリシャの心身二元論にあり、理性と精神を重んじる考え方から差別が生じたと指摘しています。

05:02

🤔 心身二元論と性差別の歴史的背景

第二段落では、心身二元論が女性を身体的世界に閉じ込める考え方として、政治的参加を拒否する理由となり、その影響が長い歴史にわたって続いたことを説明しています。再生産活動を担う女性は、身体的な労働に拘束され、知性を発達させる機会を奪われ、男性による支配下に置かれてきたと述べています。また、有産階級と無産階級の区別が、政治参加の権利にも影響を与え、有産階級の男性のみが市民としてカウントされることが一般的だったことも触れています。この段落では、性差別と家父長制が身体的な力に基づくものであり、法的に正当化された偏見であると結びつけています。

Mindmap

Keywords

💡フェミニズム

フェミニズムとは、女性が男性と同じ社会的地位と権利を持つべきであるという思想や運動です。このビデオでは、フェミニズムを学ぶことで男性が主体的に行動を起こすことが手段として提唱されています。例として、ビデオではフェミニストの書いたものを読むことが推奨されています。

💡家父長制

家父長制は、一家の長である男性が家族全員に対する絶対的な権力を有する社会構造を指します。ビデオでは、家父長制が女性を抑圧し、政治的な権利を制限する原因となっていると批判的に取り上げられています。

💡心身二元論

心身二元論は、精神(心)と身体を別々の存在とみなす哲学的な考え方です。ビデオでは、この考え方が女性を身体的欲望にとらわれている下位の存在として見なし、政治的な権利を制限する根拠となっていると解説しています。

💡ジェンダー

ジェンダーは、社会が性別に基づいて与える役割、行為、表現の集まりを指します。ビデオでは、ジェンダーが性差別を生み出し、女性を政治的な権利から排除する要因の1つとされています。

💡性差別

性差別とは、性別に基づく不公平な扱いまたは偏見を指します。ビデオでは、古代ギリシャからの心身二元論が性差別を生み出し、女性を政治的な権利から排除する原因となっていると述べています。

💡有産階級

有産階級とは、財産を有する人々を指し、政治的な権利を持つとされる社会階級です。ビデオでは、有産階級の男性のみが市民としてカウントされ、参政権を持つことができるとされてきた社会構造が問題視されています。

💡無産階級

無産階級とは、財産を持たない人々を指し、政治的な権利が制限されているとされる社会階級です。ビデオでは、無産階級は教育や知的活動の機会がなく、政治的な権利が認められていなかったと触れています。

💡プロパティ

プロパティとは、所有権を持つ財産や物品を指します。ビデオでは、プロパティを有する有産階級の男性のみが市民として認められ、女性や奴隷のようにプロパティとして扱われていた人々は市民権を有さないでいたと述べています。

💡ヒステリー

ヒステリーとは、かつて用いられていた女性特有の精神的異常とされる言葉ですが、実際にはギリシャ語の「子宮」を語源としており、女性を身体的な性に限定する偏見を表しています。ビデオでは、この言葉が女性を政治的に排除する理由の1つとなっていると批判しています。

💡女性参政権

女性参政権とは、女性が選挙権や被選挙権を持つ権利を指します。ビデオでは、過去女性がこの権利を有さず、男性の身体的な力による支配下にあったことが、女性参政権運動の根拠として提唱されています。

Highlights

プログレッシブチャンネルがフェミニズムと家父長制の基礎を男性向けに解説し、共に考えることを目指している。

男性がフェミニズムを語る権利とその批判、まずは女性フェミニストの声に耳を傾けることが重要であるという意見が示されている。

シリーズの趣旨は男性同士がフェミニズムの基礎を学び、ジェンダー、性差別、家父長制について話し合い、考えるよう促している。

フェミニズムの学び方として、フェミニストの書いたものを読んで主体的に行動を起こすことが推奨されている。

西洋思想史における女性差別のルーツは古代ギリシャの心身二元論にあり、理性と身体の二元的区別が行われている。

心身二元論では、理性や精神が身体や物理界の上に位置づけられており、理性的な振る舞いが高く評価されている。

プラトンの哲人王による支配の主張が理性を重んじる考え方から来ていることが説明されている。

知能を発達させる教育の機会を持たない人々は政治に参加する資格を持たないとされていた考え方が紹介されている。

善と手段の価値の区別、真理の価値とお金のような手段としての価値が比較され、理性的な活動が高く評価されている。

身体的なニーズを満たす行為は理性的な活動から遠ざけられ、下位に位置づけられてきた背景が語られている。

生産活動と再生産活動の区別、前者が衣食住のニーズを満たすために、後者が生殖活動や家事を含むことが説明されている。

再生産活動に費やされた女性は身体的世界に属する存在として、政治活動に参加する資格がないとされていた。

ヒステリックという言葉の由来が「子宮」につながり、女性を身体性に限定する考え方があることが示されている。

有産階級と無産階級の区別、有産階級のみが市民としてカウントされ、参政権を持つことができた歴史が紹介されている。

プロパティの有無に基づく選挙制度の歴史、プロパティフランチャイズと呼ばれる制限選挙の説明がある。

家父長制の下で、男性が家族を統率し、妻や娘がプロパティとして扱われていた状況が語られている。

心身二元論の伝統の中で、理性的な白人男性が上位に、身体的な欲求に服する人々が下位に位置づけられてきた歴史が示されている。

フェミニストのハリエット・テイラーが男性の身体的力による女性差別を法的に正当化された時代は終わりつつあると主張している。

チャンネルの1周年を迎える際に、登録、評価、シェアの拡散を呼びかけている。

Transcripts

play00:00

[音楽] こんにちはプログレッシブチャンネルです

play00:04

基本的なところから政治について解説をし ています

play00:07

このシリーズでは フェミニズムについて、いやもっと正確に

play00:11

言うと、家父長制について、 家父長制を変えたい、自分も変わりたいと思って

play00:15

いる男性向けに、 私自身も男性として一緒に考え

play00:18

たいと思います。 男がフェミニズムを語っていいのか

play00:23

女性フェミニストの声にまずは耳を傾けろ という、もっともな批判もあると思います。それは

play00:29

その通りだと思います。 でも男性は沈黙してればいいのか、何もし

play00:33

ないでいいのか、といえば、それももちろん 違いますよね

play00:37

女性に聞く前に男性が自分たちで学んどけ、 というのもあるでしょう

play00:42

というわけで、このシリーズは 男性同士でもちゃんとフェミニズムの基礎

play00:46

を学び、 ジェンダー、性差別、家父長制について

play00:49

話し合って考えようよ、という趣旨です。 フェミニズムの問題提起、告発を受け止め、学び

play00:55

つつ 男性が主体的に自分たちの行動を起こす

play00:58

ことが手段なので、フェミニズムを がっつり学びたい人は、この動画を見た後に

play01:03

フェミニストたちの書いたものをちゃんと 読んでください。さて前置きはこれくらいに

play01:07

して、今回はそもそも男尊女卑、 女性蔑視・

play01:11

差別の起源はどこにあるかから、 入りたいと思います。

play01:15

西洋思想史をたどると、 政治や法制度における女性差別のルーツは

play01:20

古代ギリシャ以来の 心身二元論にあることがわかります。

play01:24

神は身体を持たず不老不死の 精神界にのみ存在し

play01:28

他方、動物や植物、 石や椅子などの物体は

play01:33

物理的な世界にしか存在しないとされ、 これに対して、人間はその両方をまたいで

play01:39

存在すると考えられました。 人間は精神界の存在としては

play01:43

理性を発達させ、自由意志に基づき、 高度な思索を行ったり

play01:48

倫理的に自らを律したりすることができる 一方で

play01:51

物理界の存在としては 重力や加齢、

play01:54

老化そして死はもちろん 食欲や睡眠欲など

play01:58

生理的な欲求にいやおうなしに服する、 というわけです。

play02:01

こうしてみると、心身二元論は、 単に二元的な区別をしているだけでなく

play02:06

精神や理性の方を、 身体の上位に置いていることもわかります。

play02:10

確かに、自堕落に自己の身体的、生理的な欲望 に駆られるまま暮らすよりも

play02:16

知性を磨き、理性的に振る舞い、身体的な欲求 に負けずに自らを律して暮らす方が、人間と

play02:22

して立派な感じがしますよね。 こうした発想から、例えばプラトンが

play02:27

哲人王による支配を唱えたことは、 以前に別の動画で話しました。

play02:32

共同体全体にとっての善や 正義がわかるのは

play02:35

真実を知る哲学者であって、そうした哲学者 のみが統治するのにふさわしいと考えた

play02:40

わけです。 逆に知能を発達させる教育の機会を持た

play02:44

ない人たちは 極論すれば

play02:47

動物と大差なく、自己の身体的な欲求を 満たすのに日々明け暮れるだけで

play02:52

政治に参加する資格を持たないと 考えられました。

play02:56

私的な身体的欲望や衝動にとらわれている 限り、共同体全体の

play03:01

公的な善を追求する政治には貢献できない というわけです。

play03:05

また 善について考えたとき、それ自体で価値が

play03:08

あり善であるものと、 別に存在する善につながる手段としてのみ

play03:13

価値があるものがあると 区別して考えられていました。

play03:17

例えば 真実はそれ自体で価値がある一方で、お金は

play03:21

それ自体で価値があるというよりはお金で 欲しいものが買えるからその手段として

play03:26

初めて価値があるということです。 使えない札束を山ほど持っていても、それは

play03:31

ただの紙切れで価値はないですからね。 こうして古代ギリシャでは、哲学のようにそれ

play03:37

自体として目的となり、 価値があり善である行為と、何か別の価値を

play03:42

手に入れる目的で 手段として行われる行為を区別して考え、

play03:46

それ自体が目的である行為を上位に、 手段として行われる行為を下位におきました。

play03:51

こうして 身体的ニーズを満たす衣食住に

play03:55

不自由なく、行為のための行為、特に哲学 つまり真理の探求に勤しむ知的な活動に

play04:02

専念できる人たち人たちこそが 公共の善を知ることができる一方で

play04:08

身体的ニーズを満たすために行動して 暮らさなくてはいけない人たちは

play04:12

例えば衣食住を確保するための手段として 労働行為をして日々過ごすので

play04:17

当然知性を発達させる機会もなければ、それ 自体を目的とするような行為のための行為

play04:23

を楽しむ時間もないと、二重の意味で 蔑まれることになります。

play04:28

手段としての行為には、生産活動と 再生産活動があります。

play04:34

農場や工場で働くのは 生産が目的であって

play04:37

生産物によって衣食住などの 身体的ニーズを

play04:41

満たすのが 目的です。

play04:43

生産活動に人生を費やして終わる労働者や もっとひどい立場に置かれた奴隷は

play04:48

身体的欲求を満たすための手段としての 行為ばかりをして一生過ごし

play04:53

ついぞ理性を高める行為のための行為 などできないで終わるということになり

play04:57

ます。 したがって公共の善を追い求める政治に

play05:01

参加する市民としての資格はないとされ ました。

play05:05

再生産活動は、英語で言えば reproductionで、カタカナで言う

play05:08

リプロのこと、つまり狭義では 生殖活動、

play05:12

妊娠や出産で、 広義では子育てや掃除など

play05:15

無償の家事全般も含まれます。 そう、女性は仮に裕福な家庭にあって

play05:20

生産活動の従事していないとしても 再生産活動に人生を費やして

play05:25

一生を終える、産む性だとして 心身二元論の構図で言えば

play05:30

下位の身体的世界にのみある存在として 蔑まれ

play05:34

政治活動に参加する知性を持たないと みなされたというわけです。

play05:40

非理性的で感情的という意味の ヒステリックという言葉がありますが、これ

play05:44

はまさにギリシャ語の「子宮」を 語源としており

play05:48

女性を産む性として、その身体性に一方的に 閉じ込めて規定し、断罪する

play05:54

ミソジニーの長い伝統を表しています。 こうして男性は資産、

play05:59

言い換えればpropertyを持っているため 生産活動に縛られずに

play06:03

精神界で知性を高められる有産階級と、 一生を身体を動かして

play06:09

生産活動に費やす、教育のない無産階級に分けられ、 property

play06:14

を持つ有産階級のみが、 市民としてカウントし

play06:17

参政権を持つことができると 長らくされてきたわけです。

play06:21

普通選挙が実現する前の資産の有無で線が 引かれた制限選挙のことを

play06:26

英語ではproperty franchise と言います。

play06:29

そしてpropertyless、 無産階級と同じく参政権

play06:33

を認められなかったのが、 propertyとみなされ

play06:37

売買の対象にさえされた黒人や有色人種の奴隷、 そして

play06:41

女性でした。 家父長制です。

play06:45

男性、特に家父長と呼ばれる年長の男性が 家長として

play06:49

家族を統率し、 妻や未婚の娘はpropertyを持てず、

play06:54

むしろ家父長のpropertyとして 扱われたのです。

play06:58

まとめるとこういうことになります。 心身二元論の伝統の中で

play07:03

心、理性の側と、 身体の側とで上下の線が

play07:07

引かれたものが、 かたや上位に

play07:09

政治という公的な領域への参加が 認められる

play07:13

有産階級の白人男性がいて、 他方、下位に

play07:17

無産階級そして 女性や有色人種など

play07:20

資産の一部に近い扱いを受けた人たちが 置かれたということです。

play07:25

女性参戦権を勝ち取っていった いわゆる第1波のフェミニストの一人である

play07:30

英国のハリエット・テイラーは、 「女性の参政権」というエッセイの中で

play07:35

世界中どこを見ても女性が 男性と同等の権利を持っていたことはない、

play07:39

それが普遍的な慣習なのだから 仕方がないのだという

play07:44

偏見を 反駁するに際して

play07:47

男性の支配には身体的力、 すなわち暴力以外の理由はない、と喝破し

play07:52

ました。 女性に対する男性の抑圧、

play07:56

差別の歴史の根拠は 男性の方が総じて身体的力が強いという

play08:00

だけの理由であり、それを法的に正当化して しまっただけのことで、そんな時代は今や

play08:06

終わりつつあると述べたのです。 いやあ、その通りですよね。

play08:10

女性がその身体性に呪われた存在だから みたいに

play08:13

言ってきたけれど、 実際は、男性がその身体的力に物を言わせて

play08:18

女性を屈服させてきただけじゃないかと。 心身二元論の大ブーメランみたいな感じ

play08:23

ですね。 次回は、さらに第1波フェミニズムに学び

play08:27

ます。3月で開設1周年を迎えます。 チャンネル登録、高評価、

play08:33

シェア拡散をよろしくお願いします。

Rate This

5.0 / 5 (0 votes)

Related Tags
フェミニズムジェンダー平等男性目線心身二元論古代ギリシャ政治参加女性参政権家父長制性差別社会構造
Do you need a summary in English?